忘年会や個人旅行を補助したって良い!「自助支援事業」
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忘年会や個人旅行を補助したって良い!「自助支援事業」

古くて新しい仕組みである共済会について、共済のプロ、千葉商科大学教授/株式会社労務研究所代表取締役の可児先生に訊くシリーズ。

前回は、共済会が、慶弔ごとが発生するたびに給付する事後給付型のままでは、その存在意義が見えにくくなるということでした。
また、従業員の多様化したニーズにこたえることが出来ないばかりか、給付がもらえる人/もらえない人の差が大きく開いてしまい、従業員間の不公平を招きかねない状態にあるというものでした。
可児先生は、そこで「自助支援事業」が重要になってくるとおっしゃるのですが、はたして「自助支援事業」とは何を意味するのでしょうか?

■ 相互扶助と自助支援の違い

__自助支援は相互扶助とはどのような関係になりますか。

 相互扶助は慶弔給付と共済会貸付に代表されます。共済会員が特定のライフイベントに遭遇した際に共済会から給付されるものです。結婚したら結婚祝金、子どもが生まれたら出産祝金、ご家族が亡くなったら死亡弔慰金といったものが慶弔給付です。

__給付をうけた経験のある方も多いと思いますし、これはイメージしやすいですね。

共済会員が結婚や病気、住宅取得などでお金が必要になった際に,共済会の積立金から低利で融資するのが共済会貸付です。

__前職のとき友人が共済会から融資をうけて住宅を購入したというような話を聞いた記憶があります。
いずれにしても会員に何か起きたら給付されるのですね。

その意味では事後給付です。何らかのライフイベントの発生に対して費用面の支援や損失の補填、共済会としての喜びやお悔やみの気持ちを表すものです。
共済会員は、「何かあっても共済会が助けてくれる」「いざとなったら共済会に相談すれば良い」「お金が足りなければ共済会から借りよう」と、その職場で安心して仕事に専念できます。

__いわゆる「セーフティネット」ということですね。

一般に共済会規約の第一条または二条には共済会の設立目的が掲げられています。たとえば、あるIT企業を設立母体とする共済会の規約には、設立目的を「本会は、相互扶助の精神の下に、会員に対する救済を行ない、福祉の向上を図ることを目的とする。」としています。

__なるほど。会員を助けるのですね。

実際にこの共済会は、休業時の所得補償に最も力を入れています。共済会独自の休業給与の他に損保会社とGLTD(団体長期傷害所得補償保険)を契約して、休業者には保険会社から保険金も支払われます。最長5年で、退職後も支払われます。

__それは素晴らしいですね。「退職後も支払われる」という点は特に、その会社の本気度が伝わってくるようです。

 そのほかには、家屋の災害に給付する災害見舞金、会員本人および家族死亡時に死亡弔慰金もあり、セーフティネットに特化しています。

__そこまで手厚いのですか。そうなると、いざとなったときに本当に安心ですね。

医療・福祉分野の企業を母体とする別の共済会では、規約にてその目的を「本会は、会員およびその家族の福利厚生と会員相互の親睦を図り、良好な職場環境を醸成維持し、当社グループ全体の発展と会員の生活向上に寄与することを目的とする。」としています。

__その規約には相互扶助というワードがないようですが。

この共済会にはもちろん結婚、出産、子女の入学といった慶弔給付はありますが、共済会の支出の大部分は慶弔給付以外に使われています。

__具体的には何に使われていますか。

会社の部署ごとの暑気払いや忘年会・新年会といった懇親会に年2回まで各5,000円を上限に補助をしているほか、会員の宿泊を伴う個人旅行に対しても年2回まで各5,000円を補助しています。

__なるほど。そういった活用の仕方もあるのですね。

それ以外にインフルエンザの予防接種費用も5,000円を上限に実費を補助しています。また、永年勤続表彰金や退会餞別金も給付されます。支出の8割が慶弔給付以外なのです。

 __共済会は相互扶助だけではない、ということですね。

これらは自助支援事業と呼ばれるものです。旅行して家族とリフレッシュする、忘年会に出席して職場の仲間とさらにコミュニケーションを深める、インフルエンザを予防したいといった、会員がやりたいことや身近なことを支援するのです。

__確かに一泊5,000円補助なら旅行へ行く気になります。そうなると先程あったようなライフイベント発生後の給付ではないですね。

相互扶助が何か発生したら支援する事後給付に対して、やりたいことが先にあって、それを支援します。

――いわば、事前給付ですね。

これが相互扶助との大きな違いです。もう一つの違いは、旅行、社内コミュニケーション、疾病予防といった多様な支援ができることです。今、企業は社員に自立・自律を求めています。受動的ではなく能動的な社員を必要としています。その意味で事前給付は自立・自律を助けるかもしれません。

――事前給付は、かなり拡がりのある取組みですね。慶弔給付だと、多くの会員が遭遇する平均的なライフイベントでの給付ということになりますよね。

「労働力の多様化」ということがいわれています。また未婚率が高まり、結婚しない、出産しない、子女の入学もない、という会員が増えています。

――慶弔給付では平均から外れると、あまり給付が受けられないともいえますね。不平等だと感じる方も出てきそうです。

こうした背景で、かつては共済会といえば慶弔給付だったものが自助支援事業にも力を入れるようになっています。

――相互扶助と自助支援のバランスが大事ですね。

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